〒971-8182 いわき市泉町滝尻字根ノ町73
「江戸日本橋十軒店兜市1863年」銅版画。 1870年出版。パリ・アシェット社。 絵のぼり吉田蔵 |
江戸時代の絵のぼりは、当時活躍した絵師が制作を手がけました。 |
目次
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浮世絵師の手描き |
江戸後期〜明治初期。 230×95cm。 歌川国芳の門人。 絵のぼり吉田蔵 |
いわき絵のぼり絵師の手描き |
明治後期〜大正期。 440×67cm。木綿製。 現在のいわき市周辺で制作。 絵のぼり吉田蔵 |
染師の
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江戸後期。 820×75cm。木綿製。 染師による手の込んだ高級品。 絵のぼり吉田蔵 |
染師の
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江戸後期〜明治初期。 染師によるラフな描写の普及品。 絵のぼり吉田蔵 |
絵師の手描き
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江戸後期。 220×125cm。紙製。 栃木県壬生の絵師。 絵のぼり吉田蔵 |
堤派の手描き座敷
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大江山図 江戸後期〜明治初期。 104×27cm。縮緬製。 絵のぼり吉田蔵 |
染師の友禅染座敷
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江戸後期〜明治初期。 95×30cm。縮緬製。 友禅染の技法で描かれた室内用絵のぼり。 絵のぼり吉田蔵 |
浮世絵師の木版画ミニ
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節句幟(歌川 江戸後期。 37×25cm。木版画のペーパークラフト。 切り貼りしてミニ絵のぼりを工作する。 歌川国芳の門人。 絵のぼり吉田蔵 |
江戸期の絵のぼり収集記 リンク先で、江戸期の絵のぼりを一点ずつ紹介していくページを書いています。 |
参考:歌川広重と絵のぼり |
引用:飯島虚心「浮世絵師歌川列伝」中央文庫 |
歌川広重の日記に、絵のぼりを制作した記述があります。 広重が制作した絵のぼりは次の三点。 「二間に一間の幟孔明」とは、約360×約180cmの 「二間に一間、鍾馗」は孔明と同サイズ、約360×約180cmの鍾馗絵のぼり。 「唐木綿小鍾馗」の これは広重が4月に甲府を訪れた際の日記に書かれています。 |
絵のぼり推薦図書 |
江戸の
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江戸期の絵のぼり名品展図録。 100作品+資料がオールカラーで掲載。 あとがきで当工房を全国一と紹介。 北村 渋谷区松涛美術館 2009年 |
古布に魅せられた暮らし桜色の章 |
わたしの江戸期絵のぼり収集品も掲載。 学研パブリッシング 2015年 |
江戸期の
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日本初の絵のぼり専門書。 北村 北村勝史著 絵手紙株式会社 1999年 |
月刊染織αNO.188 |
北村 北村勝史著 染織と生活社 1996年11月号 |
江戸期の文字
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こちらは江戸期の社寺祭礼文字 56点の文字幟がオールカラー。 北村勝史著 絵手紙株式会社 2017年 |
その他おすすめ ○ 民藝 "特集 日本の幟旗" 北村勝史、尾久彰三ほか著 日本民藝協会 2007年4月号 ○ 別冊太陽/藍の華やぎ筒描 平凡社 2003年 ○ 民具マンスリー 第31巻2号 "磐城の幟の歴史と現況" 佐藤孝徳著 1998年 ○ 別冊太陽/木綿古裂 平凡社 1996年 |
絵のぼりの制作者 |
作品が確認された絵師
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浮世絵派…葛飾北斎、柳文調、柳文朝、鳥居清元(二代)、鳥居清忠(四代)、歌川国芳、歌川国長、歌川芳輝
土佐派…長安周得 円山派…山口素絢 四条派…長山孔寅 狩野派…英一蝶、弘瀬金蔵、三村晴山、狩野永信、粂川祐景 銅版画家…亜欧堂田善 *その他、博物館蔵や個人蔵多数。 |
所在不明だが制作記録のある絵師
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浮世絵派…歌川広重 *堤等琳(三代)は、江戸後期の幟絵師や絵馬師の元締め的存在。 |
地方絵師、染師など
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地方の染師、幟絵師の活動履歴は不明なケースが多い。
大らかな作品は、民画の醍醐味を味わえる。 なかには完成度の高い作品を残した者も。 帝室技芸員になった歴史画の大家 |
絵のぼりの形式 |
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武家で用いる旗指物には、家紋、幾何学模様、文字、絵などが描かれる。
これが江戸初期に“絵のぼり”へ変化。 |
絵のぼり(屋外用)…江戸初期〜現代
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江戸初期、武家で旗指物をふくむ武具を虫干しする習慣が、端午節句の絵のぼりに変化。
男児成長を祈願する 文化が江戸から全国へ伝搬するのに、あまり時間はかかっていない。 福島県いわき市では、江戸初期の文献に絵のぼりの記述あり。 |
まねき(付属品の小旗)…江戸初期〜現代
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絵のぼりの先端に取り付け、ひらひらと舞う小旗。
絵のぼりは、男児誕生を神に知らせ招き入れる 「まねき」は、神を |
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江戸初期、安価な紙製の絵のぼりが民間に普及。
武家でも絹製や木綿製と併用された。 耐久性は低い。 凧の制作技術と共通点がある。 絵師の手描きから、浮世絵師による版画まで。 古い作例は、1700年ごろ |
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五月飾り全般が小型化され、室内用の絵のぼりは文化として定着。
※贅沢禁止令が影響した可能性も。 著名絵師の作例が多い。 民間では浮世絵師の木版画ミニ絵のぼりを組み立てた。 素材)絹製、縮緬製、木綿製、紙製。 技法)手描、合羽刷、筒描、友禅、型染、プリント。 |
鯉のぼり…江戸中期〜現代
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江戸中期に武者絵のぼりの付属品として登場。
明治初期まで真鯉のみ。 明治後期に緋鯉などが加わった。 現在のように複数のカラフルな形式となったのは戦後。 昭和初期まで、安価な紙製も多かった。 |
絵のぼりの制作方法 |
手描き(肉筆画)…江戸初期〜現代
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筆や刷毛で布に絵具を着彩する。
日本画のように絵画的仕上がり。 いわき絵のぼりは手描き。 制作者は町絵師、御用絵師、農閑期の農家など幅広い。 古い作例は、桃山時代の「絹地著色鍾馗図幟」(国指定重要文化財)。 |
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染師が防染糊の線を描き、糊が乾いたのち手彩色。
輪郭線が白抜きでデザイン的な画面構成。 顔や肌が露出した部分のみ、墨線の例が多い。 絵師が下絵を描いた例も。 室内用の小型絵のぼりは、友禅染の例あり。 |
木版刷り(紙製)…江戸時代
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浮世絵版画の歴史とともに発展。
江戸初期は安価な紙製絵のぼりが普及。 そのため木版画の手法も多く用いられた。 例)鳥居派による、大型版木がボストン美術館に収蔵。 江戸後期には歌川派による、小型の組立式絵のぼりシリーズ出版。 |
合羽刷り…江戸〜昭和
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刷毛にふくんだ絵具を直接型紙で布に刷り込み、絵柄をあらわす。
顔のみ手描き。 江戸期の作例は、上方浮世絵の技術と関連している可能性も。 おもに量産目的で技法を用いられた。 ステンシル染。 |
型染め…明治後期〜現代
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型紙で防染糊を置き、糊が乾いたのち彩色する(引き染め、注染等)。
輪郭線が白で表現される。 顔のみ手描き。 いっけん筒描きに近い仕上がりだが、繊細さが異なり量産向き。 染師が制作。 |
機械染め…昭和〜現代
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現代工法によるプリント。
現代物の9割以上がここに分類。 国産以外に、より安価な海外製も。 現代においては絵のぼりの風習を維持する屋台骨。 |
手描き武者のぼり「いわき絵のぼり吉田」 |
手描き武者のぼり「いわき絵のぼり吉田」。 |
伝統の屋外用いわき絵のぼり |
近年好評の室内用いわき絵のぼり |
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