●また絵心のある農民が、農閑期を利用してのぼりを描いた例も多かったようです。手描
きののぼりは高級品でしたので、買えない家庭では自分たちで初節句に鍾馗などの絵を
描きお祝いしました。歌川派などの浮世絵師による、木版画の組み立て式ミニ絵のぼり
も、数多く出版されています。
●江戸期は木綿が貴重だった為、多くののぼりが紙製でした。木綿製の丈夫なのぼり
が普及したのは、江戸期以降に木綿が安定供給されるようになってからです。残念なこと
に紙製ののぼりは木綿と比べ耐久性が悪く、現物があまり残っていません(武者のぼりの研究
がされてこなかった理由が、ここにもあります。鯉のぼりも同様に紙製だったため、現物は少ないようです)。
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歌川国芳「しんば連 魚かし連 市川三升へ送之」 幟と鯉幟(見立て絵)1849年
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