民画の画風いろいろ
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画風の違い
民画というのは「民衆絵画」の事で、「武者のぼり」「凧」「絵馬」「大津絵」「ねぷた絵」「地口絵」など画工が描いた 絵を指します。昔は簡単に全国を行き来する事ができませんし、印刷技術もなかった為、お祭りの時などに飾る 絵を土地の人が手描きで作る必要がありました。そのため鍾馗や金太郎や太閤秀吉など、お決まりの画題を描 く民間の絵師がどの地方にも存在し、自然と千差万別で地方色のあるものになっていきました。
そういう意味で元来の民画は、口伝で継承されてきた民話と似ています。製作者の個性を加えて、古典的な題材 を再現するという点では、クラシック音楽や古典落語などに近いでしょうか。民画の場合は、のぼりや凧、絵馬な ど様々な形式によって絵の描き方が違ったり、同じ武者のぼりでも地方によって技法や画風が違い、知れば知 るほど飽きの来ない豊かな魅力があります。また歴史的な背景も知ると、鑑賞の楽しみがより深いものになり ます。
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初代(曽祖父) 鍾馗
二代目(祖母) 鍾馗
三代目(辰昇) 鍾馗
描く上での決まり事
曽祖父、祖母、私の同じ図柄を見比べてみても、これだけ画風に違いがあります。手描き顔料染めの武者の ぼりは画風に厳格な決まり事が少なく個性が出せるのです。また、民画は同じ図柄を繰り返し描くので、描いてい くうちに自然と先代の画風から離れ自分の画風になっていきます。先代の絵と寸分違わぬように描いても、ただ の模写、物真似になってしまいます。民画とはいえ、自分なりの絵を描くべきだと思います。
とはいえ、あまり自由勝手な画風でも伝統を損なってしまいます。いわき絵のぼりの画風は江戸時代の浮世絵 (国芳や北斎など)の影響が強く、それらを参考に遠くから見ても絵の表情が伝わるよう誇張して描きます。また元来 武者のぼりは、庭に飾り晴天のなかで鑑賞するものなので、色彩も青空に映えるよう濃い原色を用います。 そのような一定の「型」を守りつつ、時代とともに自然に画風は変化していくのだと思います。

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